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【交通安全ニュース解説コラム】第101回
北海道で発生した正面衝突事故から考える「一瞬の油断」

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。

11月23日、北海道の国道274号で、乗用車同士の正面衝突の事故がありました。
3人が病院に運ばれましたが、残念なことに、そのうち2人の死亡が確認されました。
見通しの良い片側1車線の国道で、片方の車両が対向車線にはみ出したことが事故原因と見られています。

正面衝突事故は、いずれかの車両が車線を逸脱することで発生します。
その背景にあるのは、速度超過や、健康起因による車両の制御不能、居眠り運転、そして近年急増している「ながら運転」です。
今回の事故原因についての詳細はまだ分かりません。 しかし、片側1車線の見通しの良い国道で正面衝突が起きたという事実から、なんらかの理由で車両が自分の走るべき場所を外れた可能性があります。
人は、「自分だけは大丈夫」と思いがちですが、ほんの一瞬の油断が❝逆走と同じ状況❞をつくり出します。速度超過や、運転中のスマホ操作や脇見は、その一瞬を確実に生む行為です。

過去には、速度超過によってカーブの際に対向車線にはみ出してしまい正面衝突した事故や、後部座席に乗っている子どもへの対応に気を取られ、後部座席を見た際に対向車線にはみ出してしまい正面衝突した事例などもありました。

内閣府が発表した「令和7年版 交通安全白書」によると、事故の発生件数としては、正面衝突事故全体の3.7%です。

しかし、死亡事故件数で見ると、正面衝突事故における死亡事故は全体で最も多く、34.5%にものぼります。非常に死亡率の高い事故であることがここから分かります。
また、逆走事故の半数は高齢運転者と言われていますが、裏を返せば、半数は高齢者以外ということです。

若いから自分には関係ない、という認識を持つのではなく、他人事ではないのだということ、自分も逆走をしてしまい、正面衝突事故を起こしてしまう可能性があるのだということを意識して、運転するようにしてください。

事故は一瞬で起こります。一瞬だから大丈夫、ではないのです。
みなさんが運転している車両は、ほんの一瞬で人を死なせてしまうこともある物だということを、改めて認識してください。

軽自動車でも重量は700kgから1tにもなります。 普通乗用車であれば、1.5t以上の重量があります。 その物体が、時速50km以上で衝突するのです。

歩行者や自転車などに衝突してしまえば、簡単に相手の命を奪ってしまうことになるでしょう。事故は相手を巻き込むだけでなく、自分の人生も一瞬で変えてしまいます。

どんなに慣れた道でも、どんなに急いでいても、運転に集中してください。

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執筆:上西 一美
株式会社ディ・クリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。