【交通安全ニュース解説コラム】第113回 –
単調な運転が重大事故を招く 高速道路で見直したい安全意識

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。


ゴールデンウィークの最終日、高校生1人が亡くなり、26人が怪我をするという大変大きな事故がありました。
事故があったのは、磐越自動車道の上り線でした。
高校生を乗せたマイクロバスがガードレールに衝突し、後続の乗用車がそこへ追突しました。
亡くなった高校生は、マイクロバスの後方から車外に投げ出されたとのことです。
運転者は「曲がり切れなかった」と証言しているそうですが、現場には目立つブレーキ痕がなかったと報道されています。
また、事故映像を見ると、マイクロバスの前方から刺さったガードレールは、そのままバスの後方を突き破っていました。


ブレーキ痕がないというのは、非常に気になる点です。
ガードレールが車体を貫くというのも、相当な勢いで衝突していなければ起こらない現象でしょう。
ブレーキ痕がないというのは、「衝突直前まで危険を認知できていなかった」ことを示します。
気づいた時には回避できない状況であったか、あるいは衝突したその衝撃で気づいたことになります。
原因として考えられるのは、居眠り、ながら運転、体調異変などであり、前方への注意が著しく低下していた可能性が考えられます。

単調な運転に潜む危険 高速道路で注意したいポイント

高速道路などの直線が長く、信号がない道路では、単調な運転が続きます。
こういった場所では、「特別な注意を払わなくても大丈夫だろう」という状態になりやすく、集中力低下や眠気を引き起こします。
少しでも眠気を感じた場合は、最寄りのサービスエリアやパーキングエリアで仮眠を取るようにしましょう。


眠りにつく前にコーヒーなどカフェインの入ったものを飲み、仮眠は20分程度にとどめてください。
30分を超えてしまうと、眠りが深くなり、起きた時に強い眠気や身体のだるさが出てしまい逆効果です。

疲労回復のためであれば、2時間以上の睡眠が必要となります。


同乗者がいるのであれば、運転を代わってもらう方が賢明です。
運転者が自分だけの場合は、少しでも眠気や集中力低下を感じた時点で休憩を取る判断をしてください。高速道路では、単独事故の直後に後続車が追突し被害が拡大するケースも少なくありません。
重大事故に巻き込まれないためには、前方異常を早く認知できるだけの十分な車間距離を確保することが重要です。


法定速度の100km/hで走行する場合は、白線5本分の車間距離を取ってください。
また、渋滞が発生した際、最後方にいる場合には、ハザードランプを点灯させて後続車に知らせるようにしましょう。
安全を守り、命を守るためには、どのような運転行動を取らなければならないのか、今一度確認をしてください。

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執筆:上西 一美
株式会社ディ・クリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。

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【編集部まとめ】
高速道路では、単調な運転による眠気や集中力低下が重大事故につながることがあります。少しでも異変を感じたら早めに休憩を取り、十分な車間距離を確保して危険に備えることが、安全運転につながります。

実際に、重大事故をきっかけに安全管理の抜本的な改革を行われた「大阪センコー運輸株式会社」様では、ナウトの導入により全体の事故件数を3割削減、前方の衝突事故を0件にするという成果を上げられています。
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