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【交通安全ニュース解説コラム】第110回
命を守るための交差点安全運転

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
先週、神戸市兵庫区の交差点で、トラックと軽自動車が衝突する事故がありました。
右折しようとした軽自動車に、直進してきたトラックが衝突したと見られています。
この事故で、軽自動車に乗っていたうちの1人が死亡しました。
トラックの運転者は、過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕されており、「自分にも過失はあると思う。責任を感じている」と供述しています。
しかしその一方で、軽自動車には定員を超える5人が乗車していたとのことです。
警察が詳しい状況を調べていますが、現時点でその理由は報道されていません。
事故の現場写真を見ると、軽自動車は原型を留めないほどにつぶれていました。
かなりの衝撃があったことが写真から伺え、かなりスピードが出た状態で衝突したのではないかと推測されます。

慌てない右折が事故を防ぐ

今回の事故の信号機の状況はわかりません。
しかし、多くの右直事故は、信号機が変わる間際、もしくは、変わった直後に起こっています。
まずは、信号機をしっかり確認してください。
また、直進車は交差点を優先権を持って進んでいるため、減速せずに進入するケースがほとんどです。
直進車に速度が出ている状態で、右折車の側面(最も衝撃に弱い部分)に激突すれば、軽自動車などの乗用車は非常に損害が大きくなります。
一方で、右折車側も、急いで右折しようとスピードを上げて交差点に進入するケースがあります。互いにスピードが出た状態で衝突すると、被害は甚大になります。
「直進車は止まらない」という前提に立ち、対向車が完全にいなくなるまで、あるいは確実に停止を確認するまで右折を開始しないようにして下さい。
対向車の直進レーンに停車している車両の向こう側から、車両や二輪車、自転車などが直進してくる場合もあります。
右折を開始した後も、そのことを想定して、停止車両の左側タイヤの延長線上を停止線と見立てて一時停止し、安全を確認してから進むようにしましょう。

にしてください。

事故の先にある“見えない被害”

右直事故では、衝突の衝撃で車両が歩道に乗り上げてしまうことも多々あります。
このような事態になると、歩道にいる自転車や歩行者を巻き込んでしまう可能性もあるのです。
その結果、自転車に乗っている人や歩行者が死亡してしまう人身事故にもなりかねません。
みなさんの中には、滋賀県大津市で起こった右直事故によって、散歩中の保育園児ら16人が巻き込まれ、2人が死亡したことを覚えている方もいると思います。
事故のタイミングや結果は、事故を起こした運転者本人が選べるものではありません。
事故を起こしたら、人を死なせてしまう可能性がある、ということをしっかりと意識して、普段からゆとりを持った運転をするよう心がけてください。
どんな場面でも、優先意識を捨て、譲る心で、安全を最優先にしてください。

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執筆:上西 一美
株式会社ディ・クリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。