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【交通安全ニュース解説コラム】第94回 「猛暑下の車内リスクに備える!熱中症と発火事故を防ぐポイント」

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
今年は全国的に梅雨明けが早く、地域によっては6月からすでに35度を超える猛暑日となりました。
猛暑日が当たり前のようになった昨今、みなさんも熱中症にならないように十分気をつけていると思います。


しかし、室内でも熱中症になるという意識を持っている人はどのくらいいるでしょうか。これは、車内でも同じです。外ではないから、直射日光が当たらないから、ということから意外と意識をしていない人が多いのが現状です。
エアコンが効いている場所でも、油断をすると熱中症になります。予防のために、こまめに水分補給をしてください。
日中、長時間の運転をする人の中には、トイレ休憩を減らすために水分を摂らないようにしている人もいるようですが、それでは脱水症状を引き起こし、熱中症のリスクを高めます。
一度に大量の水分補給をするのではなく、定期的に少量ずつの水分を摂ると、頻尿も比較的抑えることができるので、20分に1回、コップ一杯程度の水分を補給するようにしましょう。
飲むのは、水かお茶をおすすめします。
スポーツドリンクやコーヒー、ジュースでは、糖分が高いため、別の健康被害を引き起こしてしまいます。


運転中に、脱水症状や熱中症の症状が出てしまうと、漫然運転をしてしまったり、場合によっては意識が朦朧として事故を起こしたりと非常に危険なので、十分注意をしてください。
夏場には、熱中症と同様に気をつけなければならないことがあります。
それが、車内温度の上昇です。
走行中はエアコンを稼働させているので、涼しい状態を維持できますが、エンジンを停止すると、急激に車内温度が上昇します。
JAF(日本自動車連盟)の行った実験によると、8月の晴天時、外気温が35度の状況で窓を閉め切った場合、エンジンを停止させてわずか30分で車内温度は45度を記録しました。
その後も車内温度は上昇を続け、3時間で50度を超え、さらに、ダッシュボードの上では、79度にまでなりました。
特に、黒い車体で何も対策を取らなかった場合、車内温度の推移が最も高く、また、対策をしても抑制効果が低く、温度の上昇は防げませんでした。
(参考:真夏の車内温度 JAFユーザーテスト

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執筆:上西 一美
株式会社ディ・クリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。