
【交通安全ニュース解説コラム】第86回 新年度に増える子どもの交通事故 ー 安全運転のポイントと対応策
みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
まもなく新年度が始まります。
この時期から多くなる交通事故がありますが、みなさんはどのような事故か分かりますか。
それは、子どもとの事故です。
4月から6月にかけて、子どもとの交通事故が増加します。
特に多いのが小学校1年生、2年生の低学年との接触事故で、下校時間にあたる15時から17時の間に死亡事故が多発しています。
子どもは危険感受性が低い
大人に比べて、子どもは危険感受性が低く、急に車道に飛び出すことがあります。
左側の歩道に子どもの姿を確認したら、構えブレーキにしましょう。
私は子どもがいることに気づいたら、あらかじめブレーキを踏み、徐行するようにしています。
飛び出してきてからブレーキを踏んでいては、間に合わないことがあるからです。
また、歩道からだけでなく、止まっている車両の陰から突然飛び出してくることもあるので、反対車線に停車中の車がある場合は、構えブレーキで走行してください。
子どもたちの通学路になっている生活道路は、幅員が狭く建物もあるので見通しの悪い場所があちこちにあると思います。
通学や帰宅時間、放課後の時間帯には、よりいっそう速度を落として走行してください。
必ず警察に通報を
万が一、子どもとの接触事故を起こしてしまった時は、救護と報告の義務を果たしてください。
よくあるケースなのですが、事故を起こしてしまった子どもは、なんともないからといってその場を立ち去ってしまうことがあります。
「大人に怒られる」という恐怖心から、少しでも早くその場を離れてしまいたくなるのです。
たとえ相手の子どもが立ち去ったとしても、警察に事故の報告をしてください。
これは道路交通法で定められている義務だから行わなければならないのですが、同時に、ひき逃げ事件にしないためにも必要なことです。
子どもが自分から立ち去ったからといって、運転者も通報をせずにその場から離れてしまうことがあります。
しかし、事故に遭った子どもが、帰宅後に親に怪我の理由を聞かれ、その親が警察に通報した場合、事故を起こした運転者はひき逃げの容疑者として捜索されます。
事故を起こしたら、相手が立ち去ったとしても警察に通報して事故の報告をし、自分の連絡先を伝えるようにしましょう。
そうすれば、事故が「ひき逃げ」として扱われることは避けられます。
私のYouTubeチャンネル「上西一美のドラレコ交通事故防止」でも、子どもの飛び出し事故の映像を取り上げています。
ぜひ視聴して、事故防止のための想定を増やしてください。
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執筆:上西 一美
株式会社ディ・クリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター
1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。