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【交通安全ニュース解説コラム】第41回 新年度に増える子供との接触事故

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
新年度が始まり、そろそろ1ヵ月になろうとしています。
これからの時期に最も多くなる事故は、子供との接触事故です。
警察庁の統計によると、平成30年から令和4年の歩行中の小学生の死者・重傷者は2,185人にもなります。
学年が低いほど歩行中事故が多く、小学1年生は6年生の約3.2倍、死者に絞ると1年生の犠牲者数は6年生の10倍にもなります。
過去5年間の事故で見ると、約6割が歩行中であり、歩行中の死者・重傷者の約4割は飛び出しが原因となっており、時間帯は下校時や下校後である夕方に多く発生しています。

子供を見たら減速と構えブレーキ

子供は大人に比べて危険感受性が低いため、車道へ飛び出してしまい被害に遭うことが多いのです。
危険感受性とは、何が危険なのか、どうなると危険な状態になるのかを直感的に把握する能力で、危険に対する敏感さを指します。
子供たちの事故では、道路の反対側へ渡るために左右確認をせずに飛び出してしまうというケースがよくあるのですが、友達と遊びながら歩道を歩いていて、つい車道へと出てしまうケースも見られます。
小学1年生の事故が多いのは、小学校への入学を機に、子供たちだけでの登下校を行うようになるからだと思われます。
それまでは保護者や幼稚園・保育園の関係者が送迎をするため、道路を歩く時も常に大人が付き添った状態です。
大人が危険に対して配慮するので、子供が事故に遭うのを防げるのです。
数年前に行われた7歳児を対象としたとある研究では、一般的な道路標識は子供の目に留まりにくい高さであることや、路面に描かれた「とまれ」の標示も見ていないことが判明しました。
もしみなさんの家族に小さなお子さんがいるのであれば、ぜひ子供と一緒に通学路を歩いて、危険なポイントと、どのように歩けばよいのか、どのように安全確認をして道を渡るのかを教えてあげてください。できれば入学直後の今の時期にしっかりと教えてあげてください。
車を運転する側は、スクールゾーンでは特に細心の注意を払って走行してください。
子供が飛び出してくる想定をして、子供が視野に入った時点で減速し、構えブレーキでいつでも止まれるように心がけてください。

もちろん、右左折時には一旦停止をして、横断中の子供がいないかをしっかりと首を左右に振って確かめてください。

子供の自転車事故は歩行中に比べ2倍の件数

低学年では歩行中の事故が多いのですが、高学年になると自転車に乗るようになるため、自転車走行中の事故が増加します。歩行中の事故と比較して、令和4年中には約2倍の件数の事故が発生しています。
最も多いのは出会い頭の事故で、411件起こっています。また、何らかの違反があったのが7割にもなります。(いずれも令和4年の統計)
高学年とはいえ、大人と比べるとまだまだ危険感受性は低いため、車道への飛び出しや曲がり角での飛び出しなどがあります。
中学生以上になると車と同様車道を走行しますが、まれに逆走をしている子を見かけることもあります。
正面衝突の事故も、令和4年には30件ほど起こっていますので、通学路や生活道路においては逆走自転車に気を付けてください。
例年、6月までは事故件数が増加しますので、子供を見かけたら、普段よりも注意深く「かもしれない運転」を心がけ、いつでも止まれるように減速して、構えブレーキで走行してください。

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執筆:上西 一美
株式会社ディクリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。