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【交通安全ニュース解説コラム】第21回 飲酒運転事故の撲滅を目指して

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
5月末に首都高中央環状線の橋で、運転していた車が横転したのに通報もせずに川に飛び込んで逃走した運転者がいました。運転者は翌朝逮捕されましたが、警察は飲酒運転の疑いがあるとみて捜査をしています。
また、先日は北九州市で、午前7時半すぎに飲酒運転で衝突事故を起こし、相手の運転者にけがをさせたにもかかわらず、そのまま逃走したとして第一当事者の運転者が逮捕されました。運転者の呼気を調べたところ、基準値の3倍を超えるアルコールが検出されたそうです。取り調べに対して運転者は、明け方まで酒を飲んでいたと話しているそうです。

逮捕された運転者は明け方までお酒を飲んでいたので、アルコール反応が出て当然ですが、前夜に飲んだお酒が一晩寝た後にも残っていることもよくあります。
寝たらお酒が抜けると勘違いしている人がいますが、寝たからといってお酒が抜けることはありません。
眠ったことで気分が晴れて、お酒も抜けたと勘違いしがちですが、むしろ寝ている間はアルコール分解機能が低下し、アルコールの分解速度は落ちると言われています。
以前、アルコールの分解時間についてお伝えしたことがありますが、ビール1本分(500ml)のアルコールが分解されて体から抜けるには約4時間かかります。
これはあくまで目安です。体格や年齢、体調や分解能力によって必要な時間は変わってきます。

一般企業でもアルコールチェックが義務化

貨物運送事業者やバス・タクシーなどの事業者では、アルコールチェックが義務化されています。
今年の4月からは、社用車を5台以上(乗車定員が11人以上であれば1台以上)使用している企業では、事業所ごとに安全運転管理者を1名専任することも義務化されました。
管理者は酒気帯びの有無について記録し、1年間保存しなければなりません。
さらに、今年の10月からは、有効なアルコール検知器を常備し、アルコール検知器を使用して酒気帯びの有無を確認することも法改正によって義務化されます。

飲酒運転事故を起こさないために

ルールが変わったのは昨年6月に千葉県八街市で起こった飲酒運転事故がきっかけです。
非常に痛ましい事故でしたね。飲酒運転のトラックが下校途中の小学生の列に突っ込み、男女5人が死傷するという大事故でした。早いものでもう1年になります。
こういった飲酒運転事故が未だになくなっていません。
車の運転をする方は、翌日何時から運転をするのかを考えてお酒を飲む習慣をつけてください。
心行くまでお酒を楽しみたいのであれば、翌日が休みの日に飲むべきです。
「少しくらいだから大丈夫」「一晩寝るから大丈夫」という人がいますが、そんなことは絶対にありません。
残酒で検挙されるのは、交通事故がきっかけです。
事故を起こして、調べてみたらアルコールが検出されるというケースがほとんどです。
軽い気持ちで飲んだお酒で、翌日交通事故を起こしてしまい相手の方が亡くなったら、あなたは刑務所行きです。
人の命を奪ってしまうかもしれない事、そして自分の人生もそのことで一変してしまうことを、しっかり考えて頂きたいと思います。

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執筆:上西 一美
株式会社ディクリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。