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非着用で致死率は14.5倍!シートベルト着用の重要性

ドライバーにとって、シートベルト着用は安全運転の基本中の基本。しかしながら、毎日運転をするなかで、その重要性を認識しているドライバーはどれぐらいいるのでしょうか。今回は、シートベルト着用の実態を知るとともに、非着用時の危険性の高さ・リスクの大きさを学び、改めてシートベルトの重要性を学んでいきましょう。

シートベルト着用の実態

平成20年に施行された道路交通法改正により、自動車の全座席でのシートベルト着用が義務付けられました。一般・高速道路に関わらず、非着用で運転した場合には違反とみなされ、罰金はないものの、行政処分として1点加点されます。

では、実際にどれぐらい着用義務が守られているのでしょうか。警察庁と日本自動車連盟(JAF)との合同による「シートベルト着用状況全国調査」の2020年調査結果を見ると、着用率は運転者99.0%、助手席同乗者96.5%と非常に高いのに対し、後部座席同乗者は40.3%と、半数にも満たないのが実状です。

警察庁・JAF「シートベルト着用状況調査(2020年調査結果)」より

罰則が設けられているのは高速道路上のみで、一般道の場合は警察からの口頭注意に留まることから、「後部座席でのシートベルト着用は努力義務」と誤った認識をしている人も少なくありません。後部座席同乗者も、シートベルト着用への義務感が運転者と比べて低い傾向にあるようです。

シートベルト未着用によるリスク

シートベルトの非着用によって、運転手・同乗者にどのようなリスクがあるのでしょうか。警察庁交通局が平成28年に発表した「シートベルト着用に関する統計」によれば、非着用時は着用時に比べ、交通事故時の致死率(死傷者数に占める死者数の割合)が約14.5倍アップ。これは全座席の平均数値で、運転席での非着用における致死率は57倍にもなります。

特にシートベルト非着用で大きなリスクとなるのが、衝突時などに開いたドアや窓ガラスを突き破って車の外へ放り出される「車外放出」です。国土交通省の平成26年時のデータによれば、高速道路における自動車乗車中死者のうち車外放出の割合は、シートベルト着用者が6.0%、非着用者は5倍以上の32.1%と大きな差が生まれています(全座席の平均)。なお、車外放出になった場合の致死率は29.49%。約3割の人が命を落とす危険性があります。

他にも、シートベルトを着用していないことで衝突時の衝撃により全身を強打したり、後部座席で非着用だったため前の座席の人に衝突、大怪我を負わせてしまう危険性も高まります。シートベルトを着用することは自分の身を守るためであり、同乗者を守る行為でもあるのです。

「短時間だから未着用でもOK」は危険

ナウトの利用データからも、シートベルト着用のリアルな実態が見えてきました。令和元年8月~令和2年2月の6カ月間、日本国内のナウト車載機で記録したデータを見てみると、総運転時間に対して、運転手のシートベルト未着用率は約0.3%。ほとんどのご利用者様がシートベルトを正しく着用いただいていることがわかります。

一方で、走行回数に対してシートベルト未着用の期間が少しでもあった割合は12%という結果に。10回の運転中に1回以上シートベルトをしていない時間があるということがわかりました。

・走り出し
・駐車場内での運転
・敷地内での運転

非着用を多く検出した場面を見てみると、上記のようにわずかな時間・移動距離での非着用にとどまっているものの、「短い時間・距離だから、大丈夫だろう」という気の緩みは大きな事故を引き起こす要因になりかねません。

また、ナウト車載機のデータでは、シートベルトを正しく装着していない例も多く見受けられました。

・腰部分のシートベルトの上から座り、肩~腰の斜めのベルトのみ、たすき掛けのようにかける
・クリップ等でシートベルトの長さを調節し、ゆるめて使用する

「乗り降りが多いため、毎回付け外しをするのが面倒」「長時間運転でずっと着用しているのが窮屈」といった理由で、上記のように正しくないつけ方をしているドライバーもいます。どの座席であっても、肩・両腰の三点装着を守らなければシートベルトの拘束力はほとんどなく、本来の効果は期待できません。車外に放出され、アスファルトに叩きつけられるリスクは十分にあります。

運転手がシートベルトの着用を免除されるのは、負傷時や妊娠中など健康上の理由でシートベルトの着用が困難な場合、また、ごみ収集や郵便配達などの作業中、緊急車両の運転中といった限られた状況、やむを得ない理由があるときのみです。

ナウトの「シートベルト未装着」検出機能

ナウトは画像解析によってリアルタイムにシートベルト装着状態を判別し、未装着の場合は運行管理者や安全管理者がウェブ上で状況を確認することができる機能を実装しています。いままでも車両によってはシートベルト未装着時に警告音が流れるような仕組みはありましたが、ナウトのシートベルト未装着検知機能によって、運行管理者や安全管理者が実態を把握し、直接従業員に指導できることが可能になっています。従業員に対し、日頃からシートベルト着用の徹底を意識づけるとともに、自社のドライバーに効果的な安全指導を行うことができるナウトの機能をご活用ください。