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【交通安全ニュース解説コラム】第9回 出会い頭の事故

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
12月は1年の中で最も交通事故が増加する時期です。
交通量が増えるため事故率が上がるという要因もありますが、薄暮の時間が早く訪れることも一つの大きな原因になっていると思われます。
この時期にぜひ気を付けていただきたいのは、生活道路での出会い頭事故です。

危険度の高い自転車との事故

車同士の事故だけでなく、自転車との事故も非常に多いです。
月末には学校も休みに入り、日中遊ぶ子供たちも増えるため、子供の乗る自転車にも気を付ける必要があります。
子供は危険感受性がまだ低いので、大人である私たちが気を付けて、守ってあげなければなりません。
自転車の事故に関しては、幅員が5.5m未満の生活道路での事故遭遇率が、5.5m以上の道路の約2.5倍になると言われています。
また、自転車に乗っている人は衝突の瞬間ハンドルを強く握るために受け身が取れず、転んだ際に頭を打つことが多いです。打ち所が悪いと死亡事故になってしまいます。

構えブレーキで事故防止

出合い頭の事故を防止するためにも、一時停止義務のない交差点に入る際には徐行をするのが絶対条件です。
私はよくセミナーや配信動画の中で「速度の質にこだわる」という話をします。
速度の「質」とは、アクセルに足を置いた状態なのか、ブレーキに足を置いた状態、いわゆる「構えブレーキ」なのかで変わってくるものです。
同じ15km/hでも、足がアクセルに置いてある15km/hとブレーキに置いてある15km/hでは全然違うのです。
アクセルに足がある状態からブレーキへ踏みかえるだけで0.2秒かかります。この0.2秒のロスがあることで、衝突した後に相手車両を押し出してしまいます。
生活道路は幅員が狭い所が多いですので、衝突後の押し出しのせいで障害物に激突することもあれば、付近を歩いている人をひいてしまう可能性もあるのです。

行動しなければ事故は防げない

一時停止義務のない交差点に入る時は、徐行は必ずしてください。
そしてその時に「構えブレーキ」をする習慣を身に付けてください。
徐行でもアクセルに足を置いたままの徐行ではまったく意味がありません。
危険を回避するための具体的な行動、すなわち「ブレーキを踏む」という行動をしなければ事故は絶対に防げないのです。
世の中には失敗から学べることは数多くあると思います。しかし、交通事故に関しては「失敗してから」というわけにはいきません。だからこそ、ドライブレコーダーの映像を視聴して事故を疑似体験することが事故防止に役立つのです。
今回お話した生活道路での事故映像を収めた動画を12月6日に「上西一美のドラレコ交通事故防止」で配信しています。(https://www.youtube.com/watch?v=_AgZh9BfioU)

ぜひ一度ご覧いただき、想定を増やして、事故を起こさない運転につなげていただきたいと思います。

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執筆:上西 一美
株式会社ディクリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。