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【交通安全ニュース解説コラム】第49回 猛暑に向けての注意喚起

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
先日、福島県伊達市において、今年に入って全国で初めての気温40度を記録したと発表がありました。
年々、夏の暑さが厳しさを増しているようにも感じます。
この季節になると、車内の温度も危険なほど高温となります。

JAF(日本自動車連盟)が過去に行った車内温度の検証テストでは、気温35度の炎天下で、窓を閉め切ってエンジンを停止した場合、わずか15分で人体にとって危険なレベルにまで達することが分かりました。
サンシェード等の対策を何も施していない車両の場合、停車後1時間で車内温度は約50度に、ダッシュボード表面温度は約80度にもなるそうです。

夏を前に、NITE(製品評価技術基盤機構)は車両利用者に向けて注意喚起を行いました。
高温になった車内に、モバイルバッテリーやスプレー缶を置いておくと、破裂や発火の危険があるとのことです。
実際過去には、車内に置きっぱなしにされたバッテリーが発火して車両が炎上した事故も起きています。
モバイルバッテリーだけでなく、ノートパソコンや携帯電話など、バッテリーを搭載した電子機器にも同様のリスクがあります。
虫よけスプレーや冷却スプレーなどの、高圧ガスが使用されているエアゾール缶も、高温下では缶の中の噴射剤が気化して内部圧力が上昇し、缶が破裂してしまいます。

わずか数分で命の危機に

各地の警察では、子供の車内放置についての啓発活動も行っています。
特に小さな子供がいる家庭では、眠ってしまった子を起こすのがかわいそうといった理由や、ほんの数分だからという理由で、子供を車内に残したまま大人が車を離れるケースが見られます。
先ほど述べたように、わずか15分で、車内は人体にとって危険なほどの高温になりえます。
ましてや体温調節機能が未発達な乳幼児であれば、その危険性ははるかに高くなるでしょう。
ほんのわずかな時間でも、車から離れる時は必ず子供を連れて行くようにしてください。
時々目にする子供の車内閉じ込め事故に、車のカギを持たせていたら子供が車両のロックボタンを押してしまい、子供だけが車内に閉じ込められてしまうというケースがあります。
これも、カギを持たせるとおとなしくなる、カギに付けているキーホルダーや人形などのおもちゃを触りたがる、といった理由が見られます。
自分の意志や大人の言葉に従ってロックを開閉できないほどの幼い子に、車両のカギを持たせるのは非常に危険です。
まれに、車内に置いたバッグの中にカギを入れており、子供をチャイルドシートに乗せてドアを閉めたらロックがかかってしまっていたという事例も発生しています。
カギは運転者自身が身につけておくことが、一番の安全策です。

これからますます気温は高くなります。
この時期の車内閉じ込めは、命に関わることを忘れないでください。
救助を待つ数分の間にも、子供の命は危険にさらされるのです。

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執筆:上西 一美
株式会社ディ・クリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。