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【交通安全ニュース解説コラム】第105回
事故防止は「運転習慣」を変えることから始まる

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
私は年間400件以上のセミナーを、全国で行っています。
これだけの回数を重ねていると、中には「効率よく事故防止をしたい」と言う経営者や管理職の方もいます。
断言しますが、効率よく事故防止をするのは、無理です。

事故防止をするためには、安全ではない運転をする運転者の「習慣を変える」ということです。

人の習慣を変えるのは、自分の習慣を変えることよりもはるかに難易度が高く、時間がかかることです。
このコラムを読んでくださっている多くの方も、運転をするようになって何年も、何十年も、経っているでしょう。
慣れた道であれば、特別な緊張もなく、特に意識することもなく、いつも同じような動きで運転をしているのではないでしょうか。
「習慣」になると、身体が動きを覚えてしまっているので、無意識にその動きをしてしまいます。
身体が覚えてしまっている動きを変えるためには、新しい動きを強く意識して何度も繰り返し行わなければなりません。
新しい動きを身体が覚えて、ようやく「習慣が変わる」のです。
これは、とても「効率よく」できるものではありません。

もう一つ、「効率」と「安全」が結びつかない理由があります。

そもそも、安全運転は、非効率な動きをしてこそ実現できるものだからです。
例えば、効率よく何かをしようとする時、人はいくつかの行動を同時にしたり、端折ったりすると思います。
運転で例えると、この効率を求めた動きは、周囲を確認しながらハンドル操作を行うということになります。
つまり、安全かどうか判断ができていないにも関わらず、車を動かして前進、あるいは後退してしまうのです。
事故は、その時に起こります。
非常に多いケースが、右左折をする際に、進行方向を向きながらハンドル操作をしてしまい、歩行者や自転車、二輪車などに衝突してしまう事故です。
運転者の中には、「突然目の前に出てきた」と話す人もいます。
突然出てきたような印象になるのは、進行方向に顔を向けた瞬間にはもう自分の車が動いていて、歩行者や自転車に気づいた時には衝突してしまっているからです。
安全な運転というのは、しっかりと認知して、安全であることを確実に判断して、それからようやくハンドル操作やアクセルの踏み込みをするという、非効率なやり方をしなければならないのです。
安全運転を身につけるためには、習慣を変える根気強さと、非効率な運転行動が必要です。
そのことを踏まえて、交通事故防止に取り組んでください。


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執筆:上西 一美
株式会社ディ・クリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。