
【交通安全ニュース解説コラム】第95回 通学路の安全を守る運転マナー ―事故を未然に防ぐために―
みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
8月も終わりを迎え、新学期が始まる季節となりました。
この時期には、やはり子どもとの交通事故に気をつけなければなりません。
約一カ月ぶりの登校となりますが、子ども達にとっては「慣れた通学路」という認識です。
「慣れた場所」では警戒心が薄れます。
また、久しぶりに友達に会うということもあり、話に夢中になったりはしゃいだりと、登下校時には注意力が散漫になっていることが考えられます。
ひし形マークと一時停止線
子どもとの事故を防ぐためには、運転者から見て左側の歩道からの飛び出しや、対向車線の車列の間からの横断があることを想定して、走行してください。
子どもは大人に比べて危険感受性が低いため、思わぬタイミングで車道に飛び出してくることがあります。
子どもが歩道にいることに気づいたら、急な飛び出しに備えて必ずブレーキの上に足を置く「構えブレーキ」をして、できれば、あらかじめ速度を落として通過してください。
小学校や公園の近くには、信号機のない横断歩道も数多く設置されています。
そのような横断歩道の手前には、必ずひし形マークの道路標示も路面に設置されています。
マークは2つ続けて設置されていますので、1つ目のマークでアクセルオフにし、2つ目のマークでは、歩行者がいる場合、もしくは、歩行者がいるか分からない場合は、減速を完了して、すぐに止まれるように準備をしておきましょう。
生活道路に設置されている一時停止線の場所では、必ず停止線の手前で止まってください。
「停止線の手前で止まると合流先の車線の車両が見えない」という運転者がいますが、一時停止線は「安全を確認する場所」ではありません。
「出会い頭の事故を防ぐための場所」です。
特に子ども達は、脇道がある場所で安全確認をせずに駆け抜けていくことが多いので、通学路での一時停止線では絶対に線を超えて止まることのないようにしてください。
子どもが去っても必ず通報を
春先のコラムでも書きましたが、子どもとの接触事故で度々起こるのが、「ひき逃げ事件」への発展です。
これは、「子どもが大丈夫と言ったから」といって、警察への事故報告をせずに運転者が現場を離れてしまうことで、ひき逃げ事件となってしまうのです。
子どもは、恐怖心や後ろめたさ等の感情から、擦り傷程度の軽傷事故や無傷の場合に、すぐに現場から去ってしまうことがあります。
しかし、子どもの家族が警察に通報し、ひき逃げ事件に発展することが稀に起こるのです。
子どもが立ち去ってしまったとしても、運転者は必ず警察に通報し、事故の報告をしてください。そうすることで、「ひき逃げ事件」になることを防げます。
何より、事故後の報告は道路交通法において運転者の義務として定められています。
必ず110番通報をするようにしてください。
=====
執筆:上西 一美
株式会社ディ・クリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター
1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。